活動レポート

代表理事としての活動停止について

2017年3月28日 火曜日

いつもAPFSにご支援・ご協力を賜り、ありがとうございます。

2017年3月31日をもって、これまで代表理事を務めてきました・加藤丈太郎が、代表理事としての活動を停止することになりました。
4月1日からは、吉田真由美・副代表理事が代表代理として職務に当たります。

APFSはこれからも、外国人住民と日本人住民の相互扶助による豊かな社会の実現を目指して活動をして参ります。
今後ともどうかAPFSにご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

第5回 在留特別許可に係る市民懇談会を行いました

2017年3月24日 金曜日
市民懇談会5

高橋済弁護士による報告
在留特別許可に係る市民懇談会では、出入国管理政策懇談会への提言等に向けて、在留特別許可に関する様々なトピックについて学習を進めています。

2017年3月7日(火)には、板橋区立文化会館において、高橋済弁護士(東京弁護士会)に「在留特別許可と難民認定制度」についてご報告をいただきました。

まず、難民認定の「手続」について第1段階たる申請手続につぐ第2段階がこれまでの「異議」から2016年4月以降「審査請求」となり、その手続は7日以内に成されねばならず、また必ず本人が申請かつ出頭しインタビューを受けることが必要であることが指摘されました。そして難民不認定の場合、「人道配慮」としての在留特別許可をするときは「特定活動」(1年)または「定住者」(1年)、不許可の時は在留資格に係る許可をしない処分となる。これに対し審査請求棄却の場合においては、「人道配慮」として在特を許可する時には不認定時の資格に係る許可をしない処分、不許可の場合には判断しないとなります。

ところで難民認定申請においては、何度も可能な現行制度について近年マスメディア等で否定的な報道がなされていますが、この点について高橋弁護士から再申請の意義が次のように強調されました。すなわち、初回申請の判断後、①国の状況が悪化した場合 ②申請者が新たに政治活動などをした場合 ③新資料が発見された場合等 内外の状況変化に応じて再申請制度は積極的意義があるとのことです。ところが現状では法律上何の規制もないにもかかわらず、「迅速処理」の名の下にB・C案件(迫害事由に明らかに該当しない案件・前回同様の主張案件)は3月以内処理、D案件(通常案件)は6月以内処理が進められていることが報告されました。さらにA案件(難民可能性大、本国が内戦状況故に人道配慮が必要な案件)についてはこの間数件しかない実態も示されました。

つぎに最も重要な問題として、「難民再申請」と「再審情願」との関係についての話がなされました。要点を記せば、退去強制令書発付先行型では入管法50条の適用があり、難民申請後も再審情願が認められます。しかし難民申請先行型のケースでは50条は適用されず(再審情願は認められず)、ただ61条の2の2による難民再申請のみが可能となります。したがって、例えば早々と難民申請をした後で日本人と結婚した者は在留特別許可を求めて再審情願をすることはできず、「迅速処理」下での難民再申請を繰り返す他ないのです。

最後にいわゆる「判検交流」の問題性について要点の指摘がなされ、全体にわたる質疑応答(例:「人道配慮」の適用範囲など)をもって閉会しました。

非正規滞在者ミーティングを開きました

2017年2月24日 金曜日
非正規滞在MTG

ミーティングの様子
2017年1月22日(日)に「非正規滞在者ミーティング」を開きました。当日は予定を上回る30名以上の非正規滞在者と支援者が集まり、在留特別許可をめぐる現状報告と今後の活動方針についての議論を行いました。
同じ境遇にある仲間と不安や目標を共有する中で、メンバー間で闘っていく意思を改めて確認しました。最後には、4月30日(日)APFSにて行われる「移住労働者のメーデー」への決意を一つにし、懇親会を行いました。

現在、非正規滞在者に対する在留特別許可が認められにくい状況が続いています。そこでAPFSでは、有識者らと共に「在留特別許可に係る市民懇談会」を行い、今後の活動の方針を議論してきました(http://apfs.jp/report20170113_3680.php)。今回はその議論の結果報告も行いました。
普段は全く人前で発言をしないという子どもが、声を震わせながら「人権まで認められないのは…おかしいって思う。」と思いを述べました。過去に在留特別許可を得て、現在は日本で正規で暮らしているメンバーは応援の言葉を投げかけました。当事者・支援者、それぞれの抱えている葛藤や希望を共有する場となりました。

また、サポートする側としてAPFSがどのような気持ちで問題に立ち向かってほしいか、当事者に述べる場面もありました。特に、「強い思いがないなら、帰りなさい。」というAPFS理事の言葉に、再度、決心を固めた当事者の姿が印象的でした。

ミーティング後に行われた懇親会では、それまでの緊張が解け、それぞれが自由に思いを交わし合っていました。
4月30日(日)には、「移住労働者のメーデー」を開催します。非正規滞在者が抱える課題についても議論します。
皆様と共にますます活動を盛り上げていきたいと思っておりますので、引き続き、ご関心を寄せていただきますよう、よろしくお願いいたします。

外国人相談ホットラインを行いました

2017年1月22日 日曜日
ホットライン

4日間で74件の相談が寄せられました
2017年1月21日(土)・22日(日)12時~17時、APFSは「外国人相談ホットライン」を実施しました。
APFSの相談員、弁護士、英語、ネパール語、タガログ語、中国語の通訳者が3台の電話機の3台を囲み、電話をかけてくる方にアドバイスをしました。

1月21日(土)は19件の電話がありました。そのうち13件はネパール国籍の方からのものでした。2件はイラン国籍の方で、アメリカ、フィリピン、カメルーン、ペルー国籍の方からも1件ずつ入りました。多くの相談は労働問題に関する相談で、労災、賃金未払いと不当解雇に関する質問が多かったです。労働以外では永住権、再入国の手続きや年金、国際結婚と交通事故に関する電話がありました。また、離婚してからの子どもとの面会についての相談もありました。

22日(日)は13件の電話がありました。そのうち、11件はネパール国籍の方からいただきましたが、フィリピン国籍と韓国国籍の方からも電話がありました。さまざまな問題について相談がありましたが、多くの相談は在留資格に関するものでした。在留資格「技能」に関する問い合わせが多く、その在留資格の条件と申請手続きについて質問がありました。また永住権、在留資格の延長・変更や難民申請に関するお電話もありました。
在留資格の問題に加え、労働問題に関しても相談を受けました。賃金未払いの件で家賃が払えなくなってしまったという方、不当解雇の問題を抱えている方もいました。についても相談がありました。またオーバーステイになって、非正規滞在者として何ができるかという電話も受けました。
福岡県から群馬県や宮城県まで、全国から電話がかかってきました。APFSのホットラインチームは必要とされた情報を提供することに加え、その地域にある外国人相談窓口や法律相談センターなども案内しました。東京にあるAPFSの事務所までアクセスできる距離に住んでいる方には、近いうちに直接に来てもらい、1対1でフォローできるような環境も作っています。

この数年、ネパール国籍の人口が急増しています。その傾向は今回の相談ホットラインにも顕著に表れていました。ネパール語の通訳は駆け足で動き、次々に電話を受けました。場合によって電話をかけてくれた方に待ってもらうことにもなりました。外国人の母語でホットラインを提供する重要性が改めて明らかになりました。既にベトナム語対応については外部からご要望もいただいています。

12月と合わせて、計4日間で、74件の相談に対応しました。
問題を解決するためにどのようにすれば良いかわからない方にサポートを提供し、一緒にその問題を解決するための道筋を作っていくという、団体の目的を再確認する場ともなりました。

「在留特別許可に係る市民懇談会」を発足させます

2017年1月13日 金曜日
市民懇談会1
市民懇談会2

メンバーで事例を検討しました
APFSでは、非正規滞在者の正規化に向けた支援を継続して行っています。

2014年末までは、退去強制令書(国に帰れという命令)を発付された非正規滞在者が、発付後の状況変化を元に「再審情願」(法務省入国管理局に再度の審査を求める行為)を行い、実際、複数の事例で在留が認められました。しかし、2015年以降、ほとんど在留が認められていません。

また、「在留特別許可」(法務大臣が非正規滞在者に在留を認めること)の件数も減少傾向にあります。「在留特別許可に係るガイドライン」は存在するものの、明確な基準は未だ存在せず、その運用の実態は不透明です。さらに、親子を分離するような判断が現に法務省―入国管理局よりなされています。長い間、将来の見通しが立たず苦しんでいる家族・個人が存在しており、問題解決が急務となっています。

APFSでは、非正規滞在者をめぐる訴訟に取り組んでいる弁護士、社会学などの研究者、地域で非正規滞在者を支えている「支援する会」の方々にお集まりいただき、先の「ガイドライン」をもとに在留特別許可
のあり方を検討することを目的として「在留特別許可に関する意見交換会」を2016年9月1日(第1回)、10月5日(第2回)、12月9日(第3回)の3回にわたって行ってきました。

第1回では、弁護士より、「裁判例の傾向」が紹介され、「在留特別許可を認めない処分」を不服とする取消訴訟は多くあるが、勝訴例は少ないとの報告がありました。その原因としては、法務大臣の裁量が極めて広範に認められていることが大きな要素として挙げられました。しかし、2001年以降、いわゆる比例原則を根拠に勝訴した判例もみられます。研究者からは、「法律やガイドラインは、普遍性をもつべきなのにそうでないのが不思議」、「日本は国際人権条約に加盟していながら、人権条約に反している。子どもの最善の利益を考えるべきなのに裁判所の判断はこれに則していない」という指摘がなされました。

第2回では「在留特別許可に係るガイドライン」の「普遍性」を検証するため、いくつかの事例を「ガイドライン」に沿って評価をすることが決定しました。また、法務省の「出入国管理政策懇談会」に「在留特別許可」に係る提言を行う、ということも提案されました。 

さらに、ヨーロッパ人権裁判所における事例の検討、国連自由権規約委員会が来日して審査を行う際に、非正規滞在者の現状を伝えてみてはどうかという意見も出されました。

第3回では、いくつかの事例を「在留特別許可に係るガイドライン」に沿って、評価した結果が報告されましたが、「積極要素」、「消極要素」をどのように反映するか、評価者によって大きく食い違い、あらためて在留特別許可の許否判断の難しさが鮮明となりました。

今後は、この会合を「意見交換会」で終わらせず、出入国管理政策懇談会等へ具体的な提言を行うことを目指し、会合の名称を「在留特別許可に係る市民懇談会」として、継続して活動していくことが確認されました。

これからの市民懇談会の課題として、出入国管理政策懇談会における過去の議論のフォロー、諸外国のアムネスティ(一斉合法化)や在留特別許可などを専門に研究をしている研究者を招聘し、ヒアリングなどを行っていきます。

「在留特別許可に係る市民懇談会」メンバー(2017年1月10日現在)
水上徹男(立教大学社会学部教授)※座長
児玉晃一(弁護士)
駒井知会(弁護士)
野呂芳明(立教大学社会学部教授)
付 月  (茨城大学人文学部社会科学科准教授)
松島義徳(フィリピン人家族を支援する会 代表)
山村淳平(港町診療所 医師)
渡辺明子(イラン人母子を支える会 代表)
渡辺千恵(弁護士)

加藤丈太郎(APFS代表理事)
趙憲来 (APFS正会員)
吉田真由美(APFS副代表理事)
吉成勝男(APFS理事・相談役)

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