活動レポート

外国人相談ホットラインを行いました

2017年1月22日 日曜日
ホットライン

4日間で74件の相談が寄せられました
2017年1月21日(土)・22日(日)12時~17時、APFSは「外国人相談ホットライン」を実施しました。
APFSの相談員、弁護士、英語、ネパール語、タガログ語、中国語の通訳者が3台の電話機の3台を囲み、電話をかけてくる方にアドバイスをしました。

1月21日(土)は19件の電話がありました。そのうち13件はネパール国籍の方からのものでした。2件はイラン国籍の方で、アメリカ、フィリピン、カメルーン、ペルー国籍の方からも1件ずつ入りました。多くの相談は労働問題に関する相談で、労災、賃金未払いと不当解雇に関する質問が多かったです。労働以外では永住権、再入国の手続きや年金、国際結婚と交通事故に関する電話がありました。また、離婚してからの子どもとの面会についての相談もありました。

22日(日)は13件の電話がありました。そのうち、11件はネパール国籍の方からいただきましたが、フィリピン国籍と韓国国籍の方からも電話がありました。さまざまな問題について相談がありましたが、多くの相談は在留資格に関するものでした。在留資格「技能」に関する問い合わせが多く、その在留資格の条件と申請手続きについて質問がありました。また永住権、在留資格の延長・変更や難民申請に関するお電話もありました。
在留資格の問題に加え、労働問題に関しても相談を受けました。賃金未払いの件で家賃が払えなくなってしまったという方、不当解雇の問題を抱えている方もいました。についても相談がありました。またオーバーステイになって、非正規滞在者として何ができるかという電話も受けました。
福岡県から群馬県や宮城県まで、全国から電話がかかってきました。APFSのホットラインチームは必要とされた情報を提供することに加え、その地域にある外国人相談窓口や法律相談センターなども案内しました。東京にあるAPFSの事務所までアクセスできる距離に住んでいる方には、近いうちに直接に来てもらい、1対1でフォローできるような環境も作っています。

この数年、ネパール国籍の人口が急増しています。その傾向は今回の相談ホットラインにも顕著に表れていました。ネパール語の通訳は駆け足で動き、次々に電話を受けました。場合によって電話をかけてくれた方に待ってもらうことにもなりました。外国人の母語でホットラインを提供する重要性が改めて明らかになりました。既にベトナム語対応については外部からご要望もいただいています。

12月と合わせて、計4日間で、74件の相談に対応しました。
問題を解決するためにどのようにすれば良いかわからない方にサポートを提供し、一緒にその問題を解決するための道筋を作っていくという、団体の目的を再確認する場ともなりました。

「在留特別許可に係る市民懇談会」を発足させます

2017年1月13日 金曜日
市民懇談会1
市民懇談会2

メンバーで事例を検討しました
APFSでは、非正規滞在者の正規化に向けた支援を継続して行っています。

2014年末までは、退去強制令書(国に帰れという命令)を発付された非正規滞在者が、発付後の状況変化を元に「再審情願」(法務省入国管理局に再度の審査を求める行為)を行い、実際、複数の事例で在留が認められました。しかし、2015年以降、ほとんど在留が認められていません。

また、「在留特別許可」(法務大臣が非正規滞在者に在留を認めること)の件数も減少傾向にあります。「在留特別許可に係るガイドライン」は存在するものの、明確な基準は未だ存在せず、その運用の実態は不透明です。さらに、親子を分離するような判断が現に法務省―入国管理局よりなされています。長い間、将来の見通しが立たず苦しんでいる家族・個人が存在しており、問題解決が急務となっています。

APFSでは、非正規滞在者をめぐる訴訟に取り組んでいる弁護士、社会学などの研究者、地域で非正規滞在者を支えている「支援する会」の方々にお集まりいただき、先の「ガイドライン」をもとに在留特別許可
のあり方を検討することを目的として「在留特別許可に関する意見交換会」を2016年9月1日(第1回)、10月5日(第2回)、12月9日(第3回)の3回にわたって行ってきました。

第1回では、弁護士より、「裁判例の傾向」が紹介され、「在留特別許可を認めない処分」を不服とする取消訴訟は多くあるが、勝訴例は少ないとの報告がありました。その原因としては、法務大臣の裁量が極めて広範に認められていることが大きな要素として挙げられました。しかし、2001年以降、いわゆる比例原則を根拠に勝訴した判例もみられます。研究者からは、「法律やガイドラインは、普遍性をもつべきなのにそうでないのが不思議」、「日本は国際人権条約に加盟していながら、人権条約に反している。子どもの最善の利益を考えるべきなのに裁判所の判断はこれに則していない」という指摘がなされました。

第2回では「在留特別許可に係るガイドライン」の「普遍性」を検証するため、いくつかの事例を「ガイドライン」に沿って評価をすることが決定しました。また、法務省の「出入国管理政策懇談会」に「在留特別許可」に係る提言を行う、ということも提案されました。 

さらに、ヨーロッパ人権裁判所における事例の検討、国連自由権規約委員会が来日して審査を行う際に、非正規滞在者の現状を伝えてみてはどうかという意見も出されました。

第3回では、いくつかの事例を「在留特別許可に係るガイドライン」に沿って、評価した結果が報告されましたが、「積極要素」、「消極要素」をどのように反映するか、評価者によって大きく食い違い、あらためて在留特別許可の許否判断の難しさが鮮明となりました。

今後は、この会合を「意見交換会」で終わらせず、出入国管理政策懇談会等へ具体的な提言を行うことを目指し、会合の名称を「在留特別許可に係る市民懇談会」として、継続して活動していくことが確認されました。

これからの市民懇談会の課題として、出入国管理政策懇談会における過去の議論のフォロー、諸外国のアムネスティ(一斉合法化)や在留特別許可などを専門に研究をしている研究者を招聘し、ヒアリングなどを行っていきます。

「在留特別許可に係る市民懇談会」メンバー(2017年1月10日現在)
水上徹男(立教大学社会学部教授)※座長
児玉晃一(弁護士)
駒井知会(弁護士)
野呂芳明(立教大学社会学部教授)
付 月  (茨城大学人文学部社会科学科准教授)
松島義徳(フィリピン人家族を支援する会 代表)
山村淳平(港町診療所 医師)
渡辺明子(イラン人母子を支える会 代表)
渡辺千恵(弁護士)

加藤丈太郎(APFS代表理事)
趙憲来 (APFS正会員)
吉田真由美(APFS副代表理事)
吉成勝男(APFS理事・相談役)

外国人相談ホットライン(12月)を行いました

2016年12月11日 日曜日
ホットライン

多くの相談が寄せられました
APFSは「外国人相談ホットライン」を12月10日(土)・11日(日)に行いました。
新しく外国人住民からの相談ニーズに対応すると共に、
12月10日、世界人権デーに合わせて実施することで、外国人の人権擁護を啓発することも目的としています。

2日間で、42件の相談が寄せられました。
相談者の国籍は、インド、ウガンダ、スウェーデン、中国、日本、ネパール、パキスタン、フィリピンに及びました。
電話相談ということで、愛知県、大阪府など、遠方からの相談もありました。

英語、中国語、タガログ語、ネパール語の通訳付きで相談に、弁護士及び相談員が対応しました。

●離婚してとても不安だ。日本に残るためにはどのような手続きをすればよいのか
●難民認定申請不認定後、在留をしたい場合どのように手続きをすればよいのか
など、切迫した相談内容が目立ちました。
また、外国人をめぐる現状に制度が追いついていない部分が見えてきました。

10日(土)・11日(日)とも、9月から開講している「外国出身コミュニティリーダー育成講座」の受講者も、
オブザーブ参加をしました。
現場では、講座で学んだ言葉が、度々飛び交い、学んだ知識をどう活用するかを考える場となりました。

次回は、2016年1月21日(土)・22日(日)、いずれも12:00~17:00に行います。
是非、周りの外国人の方にご利用いただくようお知らせ頂ければ幸いです。

クラウドファンディング達成しました!

2016年11月16日 水曜日
盛況

大盛況の講座会場
APFSでは、10月半ばから1カ月間クラウドファンディングによる「外国人が外国人を助ける仕組みづくり、外国出身リーダー育成講座」プロジェクトに取り組みました。
11月16日23:00までに、100名の方からご支援いただき、目標800,000円を上回る支援総額 878,000円という素晴らしい結果を残すことができました。

≪結果報告≫
支援総額  878,000円
支援者数  100人
プロジェクトページを見てくださった方 2,170名
facebookにいいね!をしてくださった方 1,271名

・リターン購入を通じて、本プロジェクトを支援して下さった皆さま
・情報の拡散にご協力いただいた皆さま
・新聞記事にしてくださった東京新聞さん、朝日新聞さん
・プロモーションビデオを作ってくださった映画監督さん
その他、本プロジェクトを応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました!

まだまだプロジェクトは続きますが、一先ずの区切りとして、クラウドファンディング目標達成を皆様と共有できたことを心より喜ばしく思います。

11月19日(土)には、第6回目講座「社会福祉制度」を行いました。勢いのあるところに人は集まるのでしょうか。受講者20名に加え、オブザーバー等を含め総勢31名での実施となりました。「寿司詰め」という言葉がふさわしいくらい盛況となりました。

講座では、「社会福祉制度」について、「年金」「保険」「児童手当」など、個々の制度で分からない点を一つずつ、クリアしていきました。気がつくと以下のような質問が出てきました。

・年金を将来もらえると思って今の現役世代は年金を払っているのか?制度は今後どうあるべきなのか?
・生活保護という制度があるのに、なぜ日本にはホームレスの人が沢山いるのか?

個別の制度の学習から、日本社会の在り方を考える議論へと発展していきました。この場をただの講座に留まらない、さらに可能性のある場へと発展させたいと思った次第です。

支援金はプロジェクトのために大切に使用させて頂きます。またリターンを順次、ご支援をくださった皆様のお手元にお届けさせて頂きます。
どうぞこれからもプロジェクト並びにAPFSの応援、よろしくお願いいたします!

法務省にヘイトスピーチ解消及び在留特別許可に係る要望を行いました

2016年10月5日 水曜日
ヘイト

ヘイトスピーチ解消及び在留特別許可に係る要望
2016年10月5日(水)、APFSは法務省人権擁護局及び入国管理局に上記要望を行いました。要望は、有田芳生参議院議員の同席をもって実現をしました。

2016年6月3日、ヘイトスピーチ解消法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)の第2条は、「専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの」とその対象を定めています。

ジャーナリストの池上彰氏は、「保護する対象は『適法に居住する日本以外の国・地域の出身者やその子孫』です。不法滞在者など適法でなく居住する人にも人権があります。この条文には『適法でない連中は差別しても構わない』という意識が感じられます。」と上記法律について指摘しています(2016年7月1日、毎日新聞朝刊)。

「適法に居住するもの」ではない非正規滞在者の中には、仮放免の状態を7~8年以上継続している者も存在します。「在留特別許可」数は、年々減少しており、2015年は約2,000件に留まりました。非正規滞在者をヘイトスピーチに晒し続けるわけにはいきません。ヘイトスピーチを収束させるためにも、その根源の一つである非正規滞在者の縮減が必要です。そのためには、退去強制だけでなく、「在留特別許可」の弾力的な運用が必要であると言えます。

以上を踏まえ、2点要望をしました。

1.非正規滞在者への差別的言動の防止に向けた方策を明確にしてください。
2.非正規滞在が差別的言動の原因になっています。長期定住している非正規滞在者に早急に「在留特別許可」を認めてください。

1.については、法務省人権擁護局・局付の谷中文彦氏より回答がありました。

外国人住民の人権擁護については、ヘイトスピーチ解消法が施行される前から、正規・非正規と対象を問わず、啓発をしてきたとのことでした。また、ヘイトスピーチ解消法において附帯決議(議決された法案に関して付される、施行についての意見や希望などを表明する決議)出されたことを受け、正規・非正規分け隔てなく、啓発活動を続けていく旨も述べられました。

APFSより非正規滞在者が人権相談窓口を訪れた場合、法の定める「適法に居住するもの」ではないが、相談を聞いてもらえるのかを問うたところ、相談は受け付けるとのことでした。ただし、法務省人権擁護局の説明からは、正規・非正規を問わず、どのような場合に相談事案が「人権審判事件」として立件をされるのかが不明瞭でした。APFSからは、外国人住民が人権相談をした場合どのように対処がなされるのか、道筋を明確に示す必要性を指摘しました。

また、外国人住民から人権に関する相談がどのくらい人権相談窓口に寄せられているのかを問うたところ、統計は取っていないとの回答でした。APFSからは、今後の施策を考える上でも、統計を取る必要があるのではないかという点を指摘しました。

法務省人権擁護局からは、ヘイトスピーチ解消法の条文を英語・中国語・韓国語に翻訳して、ウェブサイトに掲載している旨が説明をされました。APFSからは、より広報を充実させるべきであると要望しました。また、広報に、現に外国人住民から相談が寄せられているNPOを活用していくことを、提案をしました。

2.については法務省入国管理局審判課長の君塚宏氏より回答がありました。

非正規滞在者に対する差別的言動が、2ちゃんねる、yahooのコメント欄でなされている旨について、入国管理局も承知をしていました。APFSからは、ヘイトスピーチを収束させるためにも、非正規滞在者を縮減していくべきではないかと要望をしました。

また、APFSからは、日本には移民政策がない旨を指摘し、非正規滞在についてどう扱うかを移民政策の中で考えて欲しいと要望しました。入国管理局は、「immigration policy」は出入国管理政策とも移民政策とも訳されると回答しました。しかし、2016年1月28日の参議院本会議で安倍首相は「いわゆる移民政策をとることは全く考えていない」と明言をしています。両者の間の矛盾が浮き彫りになったと言えます。

APFSでは、引き続き、上記の問題について要望を続けていく予定です。

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