活動レポート

第五回相談員育成講座「多文化ソーシャルワーク」を開催しました

2023年11月28日 火曜日
第5回講座

講座の様子

11月26日に日本社会事業大学ヴイラーグ・ヴィクトル准教授を講師にお招きし、第5回相談員育成講座「多文化ソーシャルワーク」を開催しました。

初めに対人援助専門職としてのソーシャルワークの概念と特徴について、要支援者を困った人ではなく環境と合わないだけの人ととらえ、ソーシャルワーカーには人々に働きかけ、取り巻く環境に働きかけ、さらに人々と環境の関係や接点に働きかける視点が必要との話がありました。続いて文化の多様性に対応できるソーシャルワークの基本として、支援者には文化の異なる集団のニーズを満たし、効率的に支援できる実践力が求められていることがわかりました。さらに相談員として求められている面接技術の基礎や、構造的な差別に立ち向かう必要性について教えていただきました。特に、真の地域共生社会・多文化共生社会を考える・作るうえで「我が国」の「我」が誰を指すのか、どこまで包摂するのか再考する必要があるという最後のメッセージが心に残りました。日ごろ相談活動している方々に新たな視点で活動を振り返るヒントが得られたと思います。(報告:ボランティアスタッフ阿部秀樹)
*この講座は「パルシステム東京市民活動助成基金」の助成を受けて実施しています

第四回相談員育成講座「非正規移民・難民申請者の医療」を開催しました

2023年10月23日 月曜日
第4回育成講座

講座の様子

2023年10月22日、APFS事務所にて第4回相談員育成講座「非正規移民・難民申請者の医療」を開催しました。講師は港町診療所の山村淳平医師にお願いしました。
まずは移民・難民の方たちが注意を要する病気の傾向が説明されました。収容中の人たちに関しては、それらにプラスして入管職員による暴行等による怪我などもあることが紹介されました。移民・難民の方たちの治療と予防を阻むものとして日本語や情報の欠如、高額な医療費なども挙げられましたが、何よりも健康保険や医療福祉制度からの締め出しや、難民認定の厳しさなど、制度的な要因があることが話されました。非正規移民・難民申請者であっても利用できる医療福祉制度も紹介されましたが、多くは自治体によって異なり、支援者と相談に行った方が良いとのことでした。質疑応答では、参加者から自身の経験からの実践的な質問などが出て、私たちも大変勉強になりました。山村先生のこれまでの活動に根差した信念なども聞けて、大変興味深い回となりました。 *この講座は「パルシステム東京市民活動助成基金」の助成を受けて実施しています

*山村医師が執筆した『入管解体新書』は収容施設での厳しい真実などが書かれており、山村先生のこれまでの活動が詰まった1冊です。13年前に当団体が支援していたスラジュさんの事件にも触れています。http://www.genjin.jp/book/b622920.html
山村先生のご厚意で、APFSからご購入いただきますと、売上の半額をAPFSにご寄付いただけることになりました。税抜き価格2,300円で販売いたします。送料はAPFSが負担いたします。
ご購入をご希望の方は、APFSのメールアドレス (apfs-1987@nifty.com)まで、送付先のご住所、氏名、冊数をご連絡ください。その後、お支払い方法を記入した用紙を同封のうえ、書籍をお送りします。
皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

相談員育成講座への助成が決定しました

2023年10月18日 水曜日
伝達式

伝達式にて目録授与

2023年6月より開催しているAPFS相談員育成講座ですが、この度2023年度パルシステム東京「市民活動助成基金」の助成をいただくことが決定しました。2023年10月7日(日)にパルシステム東京新宿本部にて伝達式が開催され、吉田代表とボランティアスタッフの山崎が出席しました。伝達式では目録をいただき、今回の講座を紹介するプレゼンを行いました。ほかの団体の方々(教育や環境、外国人支援、食料品支援などの分野)の発表やお話を聞き、地域住民が協力して地道に活動されている様子にとても良い刺激を受けました。

相談員育成講座はおかげさまでほぼ満員になっておりますが、最終回(2024年1月28日(日)実施)の「当事者からのお話し」はまだ2名の空きがございます。実際に問題を抱えてAPFSに相談に訪れ、どのように問題解決したのか、当事者から直に声を聞くことはこの分野に関心のある方にとって大変参考になる回だと思います。ご参加希望の方はお早めにAPFSまで電話(留守電あり)もしくはemail でご予約ください。

第三回相談員育成講座「非正規滞在の子どもたち」を開催しました

2023年9月25日 月曜日
育成講座第三回

第三回相談員育成講座の様子

2023年9月24日、APFS事務所にて第3回相談員育成講座「非正規滞在の子どもたち」を開催しました。講師は東洋大学の南野奈津子先生にお願いしました。
まず初めに実際の当事者の子どもたちの声として、昨年TBSで放送された「在留資格のない子どもたち」の動画(https://www.youtube.com/watch?v=kFcCCLMAa68)を見ました。その後、そもそも非正規滞在の方がどのように「非正規滞在」になったのか、そして「非正規滞在」の子どもの法的立場、在留資格がないことの子どもへの影響(精神面、経済面、教育面等)などを、これまでの先生の調査・研究の中で見聞きしたエピソードなども絡めながらお話しいただきました。最後に先生から参加者に対して、支援者(相談員)として、世論を目にして支援の気持ちが揺らぐこともあるかもしれないが、特に子どもについては子どもの権利条約等で、当然「最善の利益」が考慮されるべきであるから、「支援される必要がある」という意識を持って支援に携わってほしいとのお話がされました。

スタッフとして参加しましたが、日頃の支援活動での「もやっ」とした思いが、今回の講座のおかげで言語化され、再認識出来たことが一番の収穫となりました。

次回は「非正規移民・難民申請者の医療」です。講師は港町診療所の山村淳平医師です。(キャンセルが1名出ました(9月25日時点)。参加希望の方はご連絡ください。)

第二回相談員育成講座「入管法入門」を開催しました

2023年7月24日 月曜日
第2回育成講座

第2回育成講座の様子

2023年7月23日、APFS事務所にて第2回相談員育成講座「入管法入門」を開催しました。講師はすみれ法律事務所の黒澤和也弁護士にお願いしました。
はじめに憲法と外国人のお話があり、そのあといよいよ入管法に突入。在留資格についてや、退去強制、在留特別許可、再審情願、行政訴訟など、外国人支援の中で頻繁に出てくるキーワードの説明がなされました。今回は「相談員育成」講座ということで、すでに現場で相談に携わられている参加者もおり、そのような相談現場で在留資格について検討する時はまず何を確認すべきか、注意する点は何かなど、実務で大切となるポイントも話していただきました。最後に黒澤弁護士から、以前先輩弁護士に言われ記憶に残っている「事実にあたって法を知る」という言葉をご紹介いただきました。法を勉強しようという時、法律を一から読んで暗記しても覚えられるはずがなく、実際のケースにあたりながら必要な部分を勉強していけば自然と頭に入る、というもの。APFSで相談対応している私たちもまさにそんな感じで日々勉強ですので、非常に励まされた言葉となりました。

次回の相談員育成講座は9月24日(日)「非正規滞在の子どもたち」です。すでにこの回は定員になっておりますが、若干名空いている回もありますので、ご関心お持ちの方はお早めにAPFSにお問い合わせください。

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