活動レポート

無料医療相談会実施しました

2024年12月9日 月曜日
医療相談会 山村

山村医師による医療相談

2024年12月8日、APFS事務所にて無料の医療相談会を実施しました。
ネパールやミャンマー、バングラデシュ出身者など10名の相談を受けました。
経済的な事情から普段なかなか病院に行けず、でも気になる症状がある方などが
お越しになり山村淳平医師に相談していました。
検査や治療はできませんが、山村医師が話を詳しく聞き取り、触診し、時には
薬局への指示書や病院への紹介状を作り、相談者はそれをもらって安心した様子でした。

言葉や経済的な問題などで、本当に必要とされている医療が外国人に届いてない現実が
日本社会にはあります。そうした医療の機会の橋渡しをAPFSは今後も提供できるよう活動を
続けていきます。
*この事業は「(公財)板橋区文化・国際交流財団」の助成を受け実施しました。

「ミャンマーの今を知りたい」開催しました

2024年9月22日 日曜日
ミャンマー情勢講座

2024年9月22日板橋区立グリーンホールにて、ミャンマー情勢講座「ミャンマーの今を知りたい」を開催しました。
前半は日本在住でミャンマー出身のチョチョアイさん(ビルマ女性連盟代表)から3年半前のクーデターから現在に至るまでの軍の非人道的な行為や市民の抵抗などについてお話しいただきました。ご自身のスマホに入っている現地の写真もスクリーンに映して参加者に見てもらい、特に女性や子どものつらい状況を説明されました。後半では、留学で来日し帰国する矢先にクーデターが起き、今は日本で仕事をしながら本国に支援金を送るために募金活動をしているヨウさん(Yaw Funding Japan)から、より身近な、市民の生活についてお話しいただきました。故郷では、軍に空爆されてしまうため学校は閉鎖され子どもたちは満足な教育が受けられておらず、また軍が食料を入れないようにしているため、人々は家畜を飼い野菜などを自ら栽培して一日一食にして何とか生きのびているとのことでした。国際的な支援や日本のODAなどは市民のために使われず、軍に入って同じ国の国民を攻撃する武器になっていることなど、切実な声も聞くことが出来ました。参加者からは「ミャンマーのことを知るきっかけになり、自分に何ができるか考えたい」、「TV等ではわからない生々しい話で衝撃的でした」などの感想を頂きました。

「日本でミャンマーのことが忘れられている・・」というチョチョアイさんの言葉から今回の講座が開催されることになりました。この講座が少しでも参加者皆さんの心に響き、多くの方に共有され、ミャンマー市民を支援していこうという気運が高まってほしいと思います。

APFS通常総会を行いました

2024年6月10日 月曜日
総会

総会の様子

2024年6月9日APFS事務所にて通常総会を開催しました。2023年度の活動ということで、相談活動の内容が報告されました。正規滞在・非正規滞在の方から相談があり、やはり在留資格関連の相談が多かったとのこと。その他、難民申請手続きに関してや医療・税金・子どもの教育など、複数の問題が混在するケースも少なくなかったと説明されました。昨年度にAPFSが支援していた方で在留特別許可が出たのは6名(2家族)で、いずれも日本で生まれ育った子どもがいる世帯であり、昨年8月に法務大臣が発表した特例措置によるものと思われるとの説明がありました。2家族のうち1家族は母親と子どものみに在特が出、父親は仮放免のままであったことが伝えられ、今後、父親が在特を得て家族一緒に暮らせるように引き続き支援していくことが話されました。
相談活動以外では、コロナ禍でここ数年控えていたイベントとして、「相談員育成講座」を6回にわたり行ったことが報告されました。講座参加者の中から2名がボランティアとして現在APFSの活動に加わった旨が伝えられました。その他、食料支援・医療支援・教育費支援なども助成金事業として行っていると説明されました。財政状況はほぼ毎月赤字の状況が続いているが、固定費を一部賄える助成などを得たり、寄付に関心を示すグループ・個人などから単発ではあるが寄付を頂くこともできて、何とか団体を維持できていることが報告されました。

 2024年度は引き続き相談に重きを置いて活動していくが、勉強会やシンポジウムの開催についての計画も現在策定中である旨が伝えられました。しかし何をするにも先立つものはお金であり、引き続き厳しい財政状況であることが再度説明され、理事・正会員の方々の協力(会費更新・周囲へのAPFSの周知・寄付等の呼びかけなど)が必要であることが強調されました。

 出席者は6名と少なかったですが、バングラデシュ、ミャンマー、ガーナ、日本と、様々な出身地の方がAPFSのために意見交換する様子は、APFS「らしさ」を感じました。

 

 

第六回相談員育成講座「当事者からのお話し」を開催しました

2024年1月29日 月曜日

1月28日、第6回相談員育成講座「当事者からのお話し」を開催しました。

ゲストスピーカーとして、現在在留特別許可(在特)を求めているバングラデシュ国籍の家族の父親と、すでに在特を取ったフィリピン国籍の青年が話しました。

バングラデシュ国籍の父親は、来日の経緯、超過滞在に至った理由、なぜ本国に帰れないのかなどを説明しました。日本で生まれ育ち、公立学校に通う子どもたちが本国に戻れば、言葉が分からないために勉強ができなくなってしまう、そのことが本国に帰れない一番の理由だと話しました。家族がバラバラになることは考えられないとし、仮放免で生活が苦しい中でも家族一緒に日本で在留できるようにお願いしていくと語っていました。

もう一人のゲストスピーカーであるフィリピン国籍の青年は日本生まれ日本育ちですが、両親が在留資格がなかったために自らも非正規滞在の状態で生活してきました。小学生の時に自宅で両親が摘発され、父親は2度収容された、などつらい経験を語ってくれました。この青年の家族は、両親が帰国することを決意し、青年と弟には在特が出ました。家族がバラバラになってしまったこの決断が良かったのか、今もわからないと青年は話していました。子どもたちにつらい思いを強いる、現在の非正規滞在者への処遇の問題を強く感じるお話しとなりました。

参加者からは、「当事者の抱えている問題がリアルにわかりました」「在留資格のない在住外国人でも安心して日本で生活できるようにしてあげたい」などの感想を頂きました。

*この講座は「パルシステム東京市民活動助成基金」の助成を受けて実施しています

第五回相談員育成講座「多文化ソーシャルワーク」を開催しました

2023年11月28日 火曜日
第5回講座

講座の様子

11月26日に日本社会事業大学ヴイラーグ・ヴィクトル准教授を講師にお招きし、第5回相談員育成講座「多文化ソーシャルワーク」を開催しました。

初めに対人援助専門職としてのソーシャルワークの概念と特徴について、要支援者を困った人ではなく環境と合わないだけの人ととらえ、ソーシャルワーカーには人々に働きかけ、取り巻く環境に働きかけ、さらに人々と環境の関係や接点に働きかける視点が必要との話がありました。続いて文化の多様性に対応できるソーシャルワークの基本として、支援者には文化の異なる集団のニーズを満たし、効率的に支援できる実践力が求められていることがわかりました。さらに相談員として求められている面接技術の基礎や、構造的な差別に立ち向かう必要性について教えていただきました。特に、真の地域共生社会・多文化共生社会を考える・作るうえで「我が国」の「我」が誰を指すのか、どこまで包摂するのか再考する必要があるという最後のメッセージが心に残りました。日ごろ相談活動している方々に新たな視点で活動を振り返るヒントが得られたと思います。(報告:ボランティアスタッフ阿部秀樹)
*この講座は「パルシステム東京市民活動助成基金」の助成を受けて実施しています

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