国際シンポジウム「介護人材送り出しにおける課題と外国人住民支援-フィリピンとインドネシアの経験に学ぶ」を実施しました

国際シンポ

Ivy Miravalles氏(海外フィリピン人委員会 ディレクター)による基調報告
2016年3月5日(土)に、立教大学池袋キャンパスで国際シンポジウムを開催。海外からの参加を含め約90名が、外国人介護士にとってどんな課題が日本の介護現場に横たわるのかについて熱心に耳を傾けました。
シンポジウムの第一部では、フィリピン政府機関に勤めるIvy Miravallesさんと、移住女性について研究するインドネシアの大学教授・Sulistyowati Iriantoさんを講師に招き、看護師・介護士を日本に送り出してきた立場からお話しいただきました。お二人は、世界的な高齢化に伴い看護師、介護士の諸国への送り出しが増えている現状を報告。日本では、言語、人種の壁などがいまだに厚く、十分な知識・技術を備えていても現場で十分に発揮できない問題を指摘しました。双方の国が課題に向き合い、ともにより良い制度・現場づくりを継続していくことの重要性を訴えました。質疑応答では、参加者と白熱した議論が繰り広げられました。
第二部では、APFS(特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY)の1年間の事業報告と、パネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、それぞれの研究分野において第一線で活躍されるパネリストたちが、日本に暮らす外国人が新しく来る外国人介護士と日本人介護士との間でどのような役割を果たせるのか、日本の看護・介護関係者はどのような努力が必要かなどについて議論しました。その上で、現場を含め日本側が柔軟に対応・改善すべきことを指摘しました。
シンポジウム後、立教大学第一食堂で懇親会が行われました。
約30名が参加し、研究者、参加者同士の交流も生まれました。
本シンポジウムは、独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業の助成を受けて、実施することができました。
あらためて感謝申し上げます。
<開催概要>
●日 時 2016年3月5日(土)14:00~17:15
●会 場 立教大学池袋キャンパス 8号館8101教室
●内 容
【第1部】 介護人材送り出しにおける課題―フィリピンとインドネシアにおける経験から―
14:00~14:10 開会挨拶
        水上 徹男氏(立教大学社会学部教授)
14:10~14:40 フィリピンにおける日本への介護人材送り出しにおける課題
        Ivy Miravalles氏(Commission on Filipino Overseas, Director)
14;40~15:10 インドネシアにおける日本への介護人材送り出しにおける課題
        Sulistyowati Irianto氏(インドネシア大学 教授)
15:10~15:30 質疑応答
【第2部】 介護人材受け入れにおいて、外国人住民が果たすべき役割とは
15:40~16:00 外国人住民の自立に向けた包括的支援事業 事業報告
        吉成 勝男(特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY理事・相談役)
16:00~17:05 パネルディスカッション
       パネリスト
        井上 文二氏(アイ・ヘルパースクール(現ヨウコーケアカレッジ)スクール長)
        川村 千鶴子氏(大東文化大学環境創造学部教授)
        南野 奈津子氏(昭和女子大学人間社会学部専任講師)
        野呂 芳明氏(立教大学社会学部教授)
       コーディネーター
        水上 徹男氏
       コメンテーター
        Ivy Miravalles氏・Sulistyowati Irianto氏
17:05~17:15 総括・閉会挨拶
        加藤 丈太郎(特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY代表理事)
主 催 特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY(APFS)
共 催 特定非営利活動法人ASIAN COMMUNITY TAKASHIMADAIRA(高島平ACT)
協 賛 立教大学グローバル都市研究所、立教大学平和・コミュニティ研究機構
助 成 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業
後 援 豊島区、日本社会福祉士会、東京都社会福祉協議会