仮放免の非正規滞在者に在留特別許可を求める「法務省交渉」を行いました

法務省

寒い中、在留を求めアピールをしました
APFSでは、2015年8月~2016年1月に、非正規滞在を含む、全ての子どもの夢が叶う社会を目指して、「子どもの夢を育む100日間行動」に取り組んできました。
100日間行動では、多数のメディアが問題を取り上げました。また、署名運動も広がりを見せました。結果、非正規滞在の子どもが抱えている問題の所在を社会に伝えることが出来ました。
2016年1月17日(日)には、100日間行動の総括討論会を行いました。その場において、今年度中に在留特別許可を求める法務省交渉を行うことが決まりました。

非正規滞在の状態に置かれ、将来の展望が描けないのは、子どもだけでなく大人も同じです。3月1日(火)の法務省への要請には、大人にも参加を呼び掛けました。日本人(永住者)と結婚をしている、人生の半分以上を日本で過ごしているなど、大人にもそれぞれに、日本への在留を必要とする事情があるからです。

APFSからは、「仮放免の非正規滞在者に一刻も早く、在留特別許可を」ということで、以下3点を要望しました。
(1)非正規滞在の子どもに親子での在留を認めよ
(2)夫婦が日本で家族を形成することを認めよ
(3)難民申請者にも在留特別許可をより弾力的に認めよ

法務省交渉には、法務省から入国管理局審判課 補佐官 川畑豊隆氏、横川なるみ氏、係長 原田真氏が出席をしました。APFSからは代表理事の加藤、副代表理事の吉田、理事の吉成の3名が出席をしました。
仮放免状態にある非正規滞在者の多くは、再審情願(退去強制令書発付後の状況の変化を理由に、再度の審査を求めること)を行っています。2011年以降、再審情願により在留が認められにくい状況にありますが、「再審情願の存在は認めている」という横川氏の発言を確認しました。
また、100日間行動において取り組んできた、子どもたちを応援する約150枚の葉書、「子どもの夢を育む100日間行動決議文」への22名の研究者の賛同は確かに法務省に届いており、検討されていることが確認出来ました。

APFSからは、長年、非正規滞在者が仮放免状態のままになっているのは、入国管理局にも責任があるのではないかと指摘をしました。
また、「2010年以前に、再審情願によって在留特別許可を取得したケースと、「在留特別許可に係るガイドライン」上、差異がないように見える家族もずっと待っている状況がある。将来の展望が描きづらい中でも、介護福祉士になることを目指し専門学校に通っている子どももいる。非正規滞在者は日本社会に貢献をし得る人材である。寛容さをもって救済をして欲しい。」と述べました。

さらに、APFSと共に在留特別許可を求めている非正規滞在者20ケース37名について、名簿を提出しました。「名簿に書かれているケースについて、もう一度、見直す」ことを川畑氏は明言しました。声を上げなければ遅々として、前に進むことは出来ません。ケースの存在を再認識させる点において、法務省交渉は成果を挙げた言えます。

また、難民申請者への在留特別許可について質問をしました。難民としては認められないけれども、それに近い人道的に配慮を要する事情がある場合、また「在留特別許可に係るガイドライン」の「積極要素」に該当する場合において、在留特別許可となる可能性がある点を確認しました。加えて、「異議申立時(2次審査)では、在留特別許可についてはほとんど見直さない。難民申請時(1次)に、「在留特別許可に係るガイドライン」に該当する部分があれば、しっかりと言及をして欲しい。」との回答を得ました。どのようにアピールをすべきかの指針を掴むことが出来ました。

法務省と交渉をするさなか、法務省前では、寒さが増す中、非正規滞在者たちがマイクを握ってアピールを続けました。
ある子どもは、「家族が大事なのは幼い子どもでも分かること。子どもだけ、親だけの在留はあり得ないと思う。願いを聞いてください」と発言しました。
また、大人たちも、子どもの養育を日本でしていきたい旨、配偶者と日本で生活を続けていきたい旨を、マイクを手に訴えました。

APFSでは、100日間行動からの一連の行動の成果と課題を総括し、在留特別許可の取得を目指して、引き続き活動を続けていきます。皆さまの今後のご支援をよろしくお願いします。