スラジュさん事件

スラジュさん事件 最高裁判決が出ました

2017年2月7日 火曜日

国費送還中に亡くなったガーナ国籍スラジュさんの国家賠償請求訴訟の最高裁判決が、2016年11月9日付で出されました。結果は原告側(スラジュさん奥様ら)の敗訴確定です。地裁では入管の行為の違法性などが認められましたが、高裁で一転、行為は必要かつ相当とされ、この高裁判決で確定しました。

これまでスラジュさんの奥様や弁護団、支援者の皆様とともに、入管側の違法性を訴えてきましたが、国は国側に利する専門家の意見書等を多数揃え上級裁判所はそれを受け入れ、今回の悔しい判決となってしまいました。

*最高裁判決を受け、奥様からメッセージや弁護団からの報告はAPFSブログにアップされています。ご覧ください。
http://apfs-jp.blogspot.jp/

スラジュさん事件国賠訴訟 上告しました

2016年2月6日 土曜日

上告の期限である2月1日、スラジュさんのお母様のお名前で、
賠償額を減額して(一審でお母様に認容された250万円ほど)、
控訴審判決に不服有りということで上告いたしました。

この事件にご関心お持ちいただいている皆様にスラジュさんの
奥様からメッセージを以下に転載いたします。

「 スラジュ事件のご支援の皆様

いつもご支援ありがとうございます。
スラジュの妻です。
皆様のおかげで遺族を代表してお母さんの名前で
上告する事ができ裁判を続けることができます。
本当にありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

スラジュ妻 」

今度は最高裁で審議が行われます。
今後も引き続きご関心をお持ちいただきますよう、
どうぞよろしくお願いいたします。

スラジュさん事件国賠訴訟 控訴審判決

2016年1月19日 火曜日

2016年1月18日、東京高裁825法廷でスラジュさん国賠訴訟の控訴審判決がありました。傍聴券が交付され、傍聴席は満席となりました。

裁判長から、原判決の取り消し、第一審原告らの請求を棄却する旨の言い渡しがありました。

判断の理由として以下の点が読み上げられました。

死亡の経過としては、原告側が問題としてきた前屈体勢になる前にスラジュさんはすでに意識を喪失していた。
死因については、窒息の顕著な所見はなく、反対にCTAVNはスラジュさんの心臓でかなりの大きさとなっており、相当の障がいを与えていたはず。6人の医師(被告側依頼した医師ら)の言う通り、CTAVNによる致死性の不整脈が死因である。
国賠法上の違法性に関しては、警備官の行った制圧行為は相当性のある行為であり、たとえ制圧のストレスがCTAVNの症状を誘発させたとしても警備官は予見できなかった。そのため、制圧行為に違法性はない。
救護義務違反については、CTAVNでの死亡はAEDなどでは救命できないため、警備官が救護義務を怠ったとしても、スラジュさんの死亡との間に因果関係はない。

以上のように、地裁判決で勝ち取ったものはすべてひっくり返され、国側がお金に糸目をつけず依頼した、名だたる医師たち(CTAVNの病名すら正確に覚えていない医師もいました)の書面を証拠に、スラジュさんは警備官が制圧行為をする前に、CTAVNというあまり例のない病気によって死んでいた。そのような病気は警備官が予見できるわけもなく、また救命も難しいから、警備官に落ち度はないという判断をしました。

閉廷した後も、「このような判決を聞きに来たわけではない」、「そんな判決があるのか」、「人間の出す判決か」、そうした声が傍聴席から出ました。

取り急ぎ、判決内容を簡単に報告いたしました。

【重要】スラジュさん国賠訴訟控訴審判決が傍聴券交付になりました スラジュさん事件国賠判決 傍聴のお願い

2015年12月25日 金曜日
スラジュさん

傍聴のご協力お願いいたします!
【重要】(1/12追記)この度、控訴審判決が傍聴券交付となりました。当日、14時40分までに東京高裁正面玄関2番交付所に来た方を対象に、抽選を行います。ご注意ください。
いつもスラジュ事件にご関心をお持ち頂き、ありがとうございます。いよいよ、1月18日(月)に、控訴審判決となります。皆様の傍聴協力を、どうぞよろしくお願い致します。

スラジュ事件国賠訴訟 高裁判決日

日時:2016年1月18日(月)15時~
場所:東京高等裁判所 825法廷
*控訴審判決が傍聴券交付となりました。当日、14時40分までに東京高裁正面玄関2番交付所に来た方を対象に、抽選を行います。ご注意ください。
*裁判後に弁護団からの報告があります。傍聴と合わせてご参加ください。

2010年3月22日、ガーナ国籍男性ABUBAKAR AWUDU SURAJさん(以下、スラジュさん)が
国費送還中に死亡しました。スラジュさんの死の真相を究明するため、2010年8月5日に国家賠償請求訴訟を提訴し、2014年3月19日には、入管職員の制圧行為は「違法」であり、その違法な入管職員の行為によってスラジュさんは死亡した、と認める画期的な地裁判決が言い渡されました。
しかし国はこの判決を不服として控訴、それを受け私たち原告側も控訴を選択しました。
前回の期日で控訴審も結審し、次回はいよいよ判決です。控訴審用に出された勝俣医師の意見書がいかに信ぴょう性に欠けていたかなど、いくつかの真実が浮き彫りになっています。スラジュさんの受けた非人道的な扱いを否定する、正義ある判決を望みます。皆さん、一緒に勝訴判決を聞きましょう。最後の最後まで、傍聴協力いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
ご家族、ご友人へのお声掛けも、どうぞよろしくお願いいたします!

スラジュさん事件国家賠償請求訴訟 控訴審が結審しました(次回が判決期日です)

2015年11月18日 水曜日
スラジュ報告集会

報告集会で報告をする児玉弁護士
2015年11月18日(水)10:00、東京高裁825法廷でスラジュさん事件国家賠償請求訴訟控訴審が結審しました。
原告側代理人からは弁護団を代表して児玉晃一弁護士が、そして原告を代表してスラジュさんの奥様が最後の訴えをしました。

児玉弁護士からは、
最後に本質的なところを確認したい。スラジュさんは尊厳のある人間として扱われてなかった。これまで証拠保全で出てきたスラジュさんの送還ビデオや入管の事件再現写真を見て、入管職員がスラジュさんに対してひどい扱いをしたことは分かっている。それなのに誰一人罰せられていない。このような不正義が許されていいのか。高裁でも正義を実現した判決をお願いしたい、と述べられました。

スラジュさんの奥様は、「私の夫を帰してください」の一声に始まり、帰せないのなら法務省は正式な謝罪そして反省を、と声を震わせながら陳述しました。今でも毎日苦しんでいる。夫が死んだ真実を知りたい。事件当時入管職員は何をすべきだったのか、法務省は今後何をすべきなのか、真摯に検証し、入管職員も法務省も変わってほしい、と声を詰まらせながらお話になりました。

被告側からの訴えはなく、これで結審となりました。

次回は、判決期日となります。2016年1月18日15:00~ 東京高裁825法廷です。
2011年8月5日に国家賠償請求訴訟を提訴し、4年以上が経過しました。この間、スラジュさんの奥様は身を削りながら裁判に向かいました。また、弁護団の先生方も手弁当で裁判に臨んでいただきました。そして多くの傍聴者の皆さん、支援者の皆さんの協力があり、ここまで来ることができました。ぜひ、判決当日は皆さんの耳で、判決を聞いてください。傍聴にお越しいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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