非正規滞在のフィリピン人75名のチャーター機による国費送還への抗議声明

2013年7月6日、法務省―入国管理局は、非正規滞在の75名のフィリピン人を一斉にチャーター機によって送還しました。
これまでに以下のことが判明しています。日本に残された家族・友人からの怒りの声も聞かれます。
・7月5日に東京入国管理局から東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に身柄が移され、フィリピンに送還をされた者がいること
・送還をされた者の中には女性・子どもが含まれること
・在留資格を持つフィリピン人女性と法的に婚姻が成立しているにもかかわらず、送還された者がいること
・未だ家に帰る目途が立っていない者がいること
 
APFSを相談に訪れていた3名のフィリピン人も、チャーター便によって送還されました。3名に退去強制令書発付取消訴訟、仮放免許可申請等を準備していた矢先の出来事でありました。3名とも無事が確認できていますが、今後の生活の立て直し等、課題が山積している状態です。

2010年3月22日、APFSで在留特別許可取得に向けて支援をしていたABUBAKAR AWUDU SURAJ(スラジュ)さん(ガーナ国籍)が国費送還中に死亡した事件がありました。スラジュさんが死亡して以降、法務省―入国管理局は、送還を忌避している者の送還を停止していました。スラジュさん事件は、国家賠償請求訴訟が継続しており、真相も十分に究明されていません。このような状況下にもかかわらず、法務省―入国管理局はチャーター便による送還を強行したのです。

75名は家族や友人に別れを告げることも出来ず、突然帰国することを余儀なくされたのです。今回のチャーター機による送還は、あまりに非人道的であると言えます。APFSでは、法務省―入国管理局がチャーター便による強制送還を決行したことに厳重に抗議をいたします。
                                               2013年7月9日
                                               特定非営利活動法人APFS
                                               (ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY)
※声明 PDF版はこちら

【緊急! フィリピン現地インタビュー調査実現のためのカンパのお願い】
チャーター機による送還のどこに問題点があるのか、突如送還された彼/彼女らが送還後どのような困難を抱えているのか等をインタビュー調査するため、APFSではフィリピンにスタッフを派遣することを検討しています。調査内容は報告書にまとめ、法務省へ申し入れをすることも視野にいれています。
スタッフの派遣を実現するため、どうか皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

※寄付の方法は以下からご覧いただけます。
http://apfs.jp/donate