APFS 「子どもの夢を育む100日間行動」総括討論会を終えて

振り返り

100日間行動を振り返りました
2016年1月17日(日)、板橋区立グリーンホールにおいて、「子どもの夢を育む100日間行動」の締めくくりとして、総括討論会が行われました。冒頭にAPFS代表理事・加藤丈太郎が今回の100日間行動を振り返りました。

活動のスタートとなった「子ども会議」において、子どもたちがそれぞれカードに素直な気持ちを書き込みました。「海外旅行をしたい」「結婚したい」「進学したい」といった将来への展望が語られた一方で、「保険がない」「高校で名前が広まる」など、在留資格が無いことによる子どもたちの不安も窺えました。子どもたちが考えた在留資格取得のための「解決策」には、「マスコミに協力を求める」「テレビにアピールする」「法務省に訴える」などの提案がなされ、自分達に何が出来るかが検討されました。中には「早く自由になりたい」「自由を奪うな」といった子どもの心情が窺える書き込みもありました。「子ども会議」が、子どもたちが自ら考え行動をする契機となりました。

次に、2015年9月には、国会議員へのロビー活動が展開されました。山尾志桜里衆議院議員を子どもたち8名が訪れ、「在留を認めてほしい」と直接に訴える事ができました。

10月・11月の、「日本で夢を叶えたい!非正規滞在の子どもたちを応援するハガキ行動」においては、子どもたちが東京入国管理局前で声を挙げてハガキへの署名を求めました。結果、150枚近くのハガキが集まり、法務省に送付されました。またこの活動はメディアに取り上げられました。11月25日には「日本外国特派員協会」での記者会見が実現し、子どもたちの代表2名が記者のインタビューに答えました。

この100日間行動と並行して、子どもたちが暮らす地域において「支援する会」が組織され、在留資格取得に向けた活動が展開されました。特にイラン母子と連携して進められた署名活動では2000筆に迫る署名が集められ、支援の輪が広がりました。

12月20日には渋谷の街頭に出て、パレードを行いました。パレード終了後「APFS子どもの夢を育む100日間行動 決議文」が全会一致で採択され、決議文は外国人、移民に関する研究を行っている研究者22名の賛同を得て2016年1月12日に法務省に送付されました。

以上振り返りが行なわれました。そして、活動の一つの成果として、子どもたちの成長が挙げられました。人前に出る事を躊躇していた子どもたちが、自分達の問題に主体的に取り組むようになったとの報告がありました。この他、メディアを通じての発信、パレードでのアピールによって非正規滞在者への関心を喚起したことが挙げられました。

続いて、会場の参加者から100日間行動を振り返っての感想が述べられ、また今後の行動についても提起されました。子どもたちからは「活動を通じ積極的な気持ちになれた」、「今後は署名活動などを頑張っていきたい」、「心ない言葉に傷つくこともあったが、くじけずやり抜いたことで自信になった」などの感想が述べられました。APFSのボランティアスタッフからは「非正規滞在者について、当事者も日本人も声を挙げ、更にアピールする必要がある」、「進学や医療保険など日本人にとっては当たり前のことが非正規滞在者にとっては困難であるという現状を、多くの日本人に知らせるべき」などの意見が挙がりました。まとめとして相談役の吉成勝男から在留特別許可を求める非正規滞在者へ向けて「人任せにしてはいけない。自ら声を挙げ、行動することで初めて成果が得られる」として、過去に非正規滞在者であったミャンマー人女性が電車で隣に座った人にまで署名を求め、自らの在留資格取得につなげたというエピソードが紹介されました。

最後に代表理事から法務省への要請行動等の次の行動計画が話されました。今後さらに活動の歩を進めて行くことを確認し、総括討論会を終えました。

100日間行動には、多くの皆さまからのご支援・ご協力をいただきました。ここに心から御礼を申し上げます。
在留を求める行動は続きます。どうか、引き続き、ご支援・ご協力を賜りますよう、お願いいたします。