「多文化家族の自立に向けた包括的支援事業」公開報告会 盛況のうちに終了

パネルディスカッション

パネルディスカッションの様子
多文化家族の貧困化という現状があります。APFSでは高島平ACTと協力して、現状に対して、多文化家族がキャリア形成やスキルアップができるプログラムを提案し、将来自立した生活が営んでいけるようにすることを目的に掲題の事業を進めてきました。多文化家族の外国人構成員や多文化家族の女性を対象に、法律・生活・福祉相談、初級日本語支援、キャリア形成のための職業訓練を実施してきました。
 
キャリア形成のための職業訓練として、「介護職員初任者研修」を、多文化家族の女性が日本語支援を受けながら受講出来る仕組みを作りました。4名が研修に取り組んできました。

2015年2月22日(日)14:00~17:00まで、上記事業に関する公開報告会を行いました。立教大学グローバル都市研究所に協賛をいただき、立教大学池袋キャンパス太刀川記念館3階多目的ホールで実施することができました。

広報期間が短かったにもかかわらず、当日は50名の参加がありました。新潟県、宮城県からも参加があり、多文化家族の自立への関心の高さがうかがわれました。

外国出身者を積極的に受け入れ、研修を行っているアイ・ヘルパースクールのスクール長・井上文二氏を基調講演に迎え、「外国人女性の自立と介護労働の役割」について考えました。井上氏からは、今後、技能実習生をはじめ、海外から介護人材を受け入れる方向となっている中で、在日外国人が、日本人と外国人の架け橋と成り得る可能性が示されました。

事業担当であるAPFS・高島平ACT相談役・吉成勝男の事業報告に続いて、パネルディスカッションが、立教大学社会学部教授・水上徹男氏のコーディネートの元、行われました。法律相談、生活福祉相談、実行委員の立場から、認識の違いを埋める、情報を分かりやすく伝えることの重要性、プログラムを体系化することの可能性いった視座が提供されました。

さらに、職業訓練に参加した受講者及び日本語教師が感想を述べました。介護職を通じて、ステップアップをしていきたい決意が語られ、大きな拍手に包まれました。

続く、懇親会は旧総長邸であるライフスナイダー館で行われました。20名以上の参加をいただき、大変盛況でした。情報交換や受講者へのねぎらいなど活発なやり取りが繰り広げられました。

今回の公開報告会は、関係者の皆さまのご協力なしには実現し得ませんでした。共催団体である高島平ACT、協賛団体である立教大学グローバル都市研究所、助成元である福祉医療機構をはじめ、関係者の皆さまに御礼を申し上げます。

(参考 当日の概要)
日 時 2015年2月22日(日)14:00~17:00
(終了後、1時間半程度、懇親会を行います。会費は3,000円です。)
会 場 立教大学池袋キャンパス太刀川記念館3階多目的ホール

【プログラム】
1. 開会挨拶 水上徹男氏(立教大学社会学部教授)
2. 基調講演 井上文二氏(アイ・ヘルパースクール スクール長)
  「外国人女性の自立と介護労働の役割」
3. 事業報告 吉成勝男(APFS相談役・高島平ACT相談役)
4. パネルディスカッション
●コーディネーター
  水上徹男氏
●パネリスト
  井上文二氏
  佐治史規氏(鷹番法律事務所・弁護士、法律相談担当)
  南野奈津子氏(昭和女子大学人間社会学部専任講師、生活・福祉相談担当)
  野呂芳明氏(立教大学社会学部教授)
5.「多文化家族の女性を対象としたキャリア形成のための職業訓練」に参加して
  職業訓練参加者、初級日本語教室講師
6. 総括
  加藤丈太郎(APFS代表理事)

主 催 特定非営利活動法人ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY(APFS)
共 催 特定非営利活動法人ASIAN COMMUNITY TAKASHIMADAIRA(高島平ACT)
協 賛 立教大学グローバル都市研究所
助 成 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業