非正規滞在のフィリピン国籍Y君~私たちの声伝えるプロジェクト#3~

現在行っている「家族一緒に!」キャンペーンの一環で非正規滞在の皆さんの声をお伝えしています。
今回はフィリピン国籍の専門学校生Y君です。
母親とともに在留資格のない非正規滞在の状態で在留を続けています。

「私にはビザがありません」

 私はフィリピン国籍で日本で生まれ育ちました。フィリピン国籍の母と二人暮らしです。私の母は日本語を書けず話すのもカタコトですが、女手一つで育ててくれました。
私と母には在留資格がありません。私は小さい頃に母と一緒に入国管理局に行きました。その場所がどんな所なのか分からないまま母についていき、面接官と話をする母が悲しく辛そうだったのを覚えています。私は十六歳から仮放免を更新するために入管に行くようになりました。私のような外国人は本来は収容されるそうですが学校に行っているため特別に放免されているそうです。そのため仮放免を1ヵ月ごとに更新しなくてはいけません。母と同じ立場に立たされ初めて現実を知りました。私は日本で生まれ日本で育ったのに犯罪者のような立場でした。普通の生活をしているだけなのに色々と制限がありとても苦しく辛いです。
 今、私は母と一緒にフィリピンに帰るよう入管に言われています。私は日本語しか話せず、フィリピンに行けば私の夢や私の思い描く将来が崩れてしまいます。

私達のような在留資格のない外国人はたくさんいます。全員が悪い人ではありません。もっと多くの日本の方に、私たちのような外国人の生活を知ってほしいです。私たちは在留資格取得のために一生懸命に今を生きています。