首相官邸(内閣府)前において要望書提出行動をしました

首相官邸(内閣府)前において要望書提出行動をしました
2013年3月27日(水)15:00より、APFSは首相官邸(内閣府)前において、19家族3個人36名(フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、イラン、スリランカ、韓国、ペルー、マリ、ギニア9ヶ国)の非正規滞在者及びその支援者と要望書提出行動を行いました。当日は、春とは思えないような寒い天気となりましたが、19家族3個人36名は首相官邸(内閣府)前で懸命に自らの窮状を訴え続け、在留特別許可を求めました。多くの方々にチラシを受け取っていただきました。行動の終盤には内閣府内において要望書を渡し、要望は正式な請願として受け付けられました。

APFSでは、非正規滞在者の在留特別許可を求めて当事者及び支援者と行動を続けていきます。皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

以下は要望書の内容です。
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                                                                2013年3月27日
内 閣 総 理 大 臣 
安 倍 晋 三 殿

                                              特定非営利活動法人A.P.F.S.
                                              ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY
                                              代表理事  加藤 丈太郎
                                              他4名

                                 要望書

私たち19家族3個人36名(フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、イラン、スリランカ、韓国、ペルー、マリ、ギニア9ヶ国)の非正規滞在者は一刻も早く、在留特別許可が認められることを強く要望いたします。

19家族3個人36名の非正規滞在者全員に既に退去強制令書が発付されています。しかし、私たちは退去強制令書発付後の状況の変化、日本に在留しなければ生活が出来ない切実な事情を元に、法務大臣へ再審情願を行っています。

私たちはかねてから法務大臣に在留特別許可に関する要望を続けていますが、一向に状況が変わることがありませんでした。そこで、日本政府のトップである内閣総理大臣に直接私たちの要望を届けることで、内閣総理大臣から法務大臣へ私たちの再審に向けて動くよう働きかけていただくことを期待しています。

退去強制令書が発付されてから、長い者では7年の歳月が流れています。不安定な在留状況において、生活は困窮を極めています。特に子どもたちの健全な発達に深刻な影響が出ています。子どもたちは、このまま日本で生活出来るのかどうかが分からず、自らの将来を思い描くことが出来ません。また、健康保険に加入出来ず、十分に医療を受けることが出来ない中、B型肝炎が進行し、末期の肝細胞癌に罹患してしまったものも存在します。一刻も早い在留特別許可を強く必要としています。

非正規滞在となったことはそれぞれがその身をもってして、十分に反省しています。ただ、非正規滞在にならざるを得なかった事情も理解して欲しいと思います。非正規滞在者の数が最も多かった1993年には30万人を超える非正規滞在者が日本に滞在していました。しかし、9・11アメリカ同時多発テロ後の外国人への漠然とした不安感、日本経済の長きにわたる停滞を受けて、法務省入国管理局は非正規滞在者への摘発を強化し、強制的に送還するようになりました。

非正規滞在者個人に責を問うだけでなく、なぜ、大量の非正規滞在者が日本に存在していたのか、その背景を考えていただきたいと思います。産業が未発達で雇用がない母国で家族が生きていくために、また日本社会が非正規滞在者の労働力を必要としていたために、私たちは日本に滞在してきたのです。

さらに、外国人・移民政策の策定を放置してきた国にも責任があると考えています。多くの非正規滞在者が生まれたのは政策の不在も大きく影響しています。先進諸国では、非正規滞在者についてアムネスティ(合法化)が行われてきました。私たちも「共に生きる存在」として日本で暮らすことを望んでいます。

私たちは自らの要望をするだけでなく、日本社会に貢献できることを行動で示していきます。居住している地域、被災地でのボランティア活動を継続的に行います。

非正規滞在者の数は67,065人まで減少し、非正規滞在者が抱える問題は日本社会にほとんど取り上げられなくなってしまいました。そこで、今一度、日本社会に非正規滞在者が抱える問題について考えていただけるよう、私たちは様々なアピールを展開していきます。

日本社会で長年暮らす中で、私たちのことを支援してくれる人たちもいます。支援する会が複数立ち上げられています。支援する会立ち上げられている家族以外にも、多くの署名を集めている家族・個人も存在します。支援者や署名に協力して下さる方々の存在は私たちが日本社会に定着していることの証左と言えます。

私たちの願いは、ここ日本で質素ながらも堅実な生活を続けていくことです。どうか私たちの願いを聞き入れられていただきますようお願い申し上げます。
以上