3月22日(祝)15:31、当団体で支援をしていたABUBAKAR AWUDU SURAJさん(ガーナ国籍)が、法務省東京入国管理局が成田空港から強制送還しようとした搭乗した機内で動かなくなり、搬送先の同空港内の病院で亡くなりました。
飛行機内で、ABUBAKAR AWUDU SURAJさんを東京入管成田空港支局の職員が制止したところ、ぐったりしたとのことです。なお、制止には手錠、タオルが使われたことが明らかとなっています。
APFSでは、遺族とともに3月25日(木)法務省に対し、抗議の申し入れを行いました。法務省は「警察に捜査を任せている」の一点張りで、遺族に対し十分な説明も、一言の謝罪もありませんでした。法務省は一人の人間の命をどのように考えているのでしょうか。法務省による十分な説明、および千葉景子法務大臣の謝罪を要求します。
※SURAJさんが亡くなる前に、書いた手紙をAPFS blogで公開しています。
やさしい人柄が伝わってきます。こちらからご覧いただけます。
法務省に提出した抗議声明は以下のとおりです。
2010年3月25日
法務大臣
千葉景子殿
ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY
(A.P.F.S.)
抗 議 声 明
去る3月22日、ガーナ国籍のABUBAKAR AWUDU SURAJさんが東京入国管理局によって国費により送還される際、同管理局の警備官らの暴行によって死亡した。本来安全に送還をしなければならないはずの入国警備官が、理由のいかんにかかわらず、在留を求めていた人間を死に至らしめるということに対して強い怒りを覚える。
ABUBAKAR AWUDU SURAJさんには長年にわたって同居していた日本人の配偶者がおり、法務大臣に対して在留等別許可を求めていた。ABUBAKAR AWUDU SURAJさんは入管法違反以外に犯罪歴はなく、善良な市民として20数年ものあいだ日本社会で暮らしてきた。当然入管法に違反して滞在していたことについては深く反省をしており、入国管理局にも謝罪の上申書などを提出していた。昨年7月、「在留特別許可に係るガイドライン」が法務省―入国管理局から公表されたが、これに照らせば当然、ABUBAKAR AWUDU SURAJさんにも在留特別許可が認められるはずであった。しかし、入国管理局は頑なにABUBAKAR AWUDU SURAJに在留を認めることを拒んでいた。
昨年5月にABUBAKAR AWUDU SURAJは再び収容されたが、愛する妻と共に日本で暮らしたいと考え、帰国を拒んでいた。この間、妻は心を痛め、精神的にも不安定な状態に置かれており、夫であるABUBAKAR AWUDU SURAJの支えなしでは生きて行くことが出来ない状態であった。こうした状況をまったく理解することなく、長岡首席をはじめとして東京入国管理局の執行部門は無慈悲にも国費によりABUBAKAR AWUDU SURAJの送還を強行した。昨年7月以降、長岡首席は難民認定申請中や裁判で係争中の者の収容を行い、また帰国に同意しなければ母子ともに収容するとの脅迫的な言辞を繰り返してきた。
この間の東京入国管理局執行部門の人権を無視した暴走をみると、ABUBAKAR AWUDU SURAJ-の死は偶然の出来事ではなく、起こるべくして起きたものと断定せざるを得ない。最愛の妻を残したままで、異国の地で非業の死を遂げたABUBAKAR AWUDU SURAJの無念さを思う時、悲しみよりも東京入国管理局に対する強い怒りを覚える。同時に、法務省及び法務大臣の監督責任は重大である。今回の暴挙に対して強く抗議をするとともに再発防止に向けた真相究明、殺害に関与した者及び責任者の処罰等を強く求めるものである。
以上