「パネルディスカッション:非正規滞在の子どもたちは今」開催しました

panel discussion

パネルディスカッションの様子

12月22日(日)板橋区立グリーンホールにて「APFSパネルディスカッション:非正規滞在の子どもたちは今」を開催しました。当日は日本人、外国人含め50名ほどの方が参加しました。パネルディスカッションに入る前に「非正規滞在者とともに」ということでAPFSの吉田から「日本における非正規滞在者を取りまく環境の変化」「APFSと非正規滞在者による在特を求める行動」の2点について話がありました。1980年代後半からの非正規滞在者の急増、出稼ぎ目的であった彼ら彼女らが日本で家族を形成し定住化したこと、そして現在に至る取り締まりの強化などについて説明がありました。また、APFSと非正規滞在者が在特を得るために、これまで一斉出頭行動や家族会の形成、再審行動、子どもたちによる行動など様々なことを行ってきたことなども話がありました。

パネルディスカッションでは、水上徹男教授が進行役となり、かつて非正規滞在の子どもであった方、現在仮放免中の方、子どもの福祉を専門とする南野奈津子教授、APFSの吉田真由美がパネリストとして話しました。当事者のお二人からはこれまでの自身のストーリーや心の葛藤などをお話し頂きました。在留資格がないため健康保険がなく、子ども心に病気や怪我をしないよう常に気にしていたこと、部活動などでも思い切りプレイができないことが一番つらかったという話もありました。南野教授からは非正規滞在の子どもの問題を教育や福祉、国際人権法の視点から説明されました。APFSの吉田からは、実際の支援現場の中で、入管側が子どもに在特を出す代わりに両親を帰国させる「家族の分離」が最近頻発していることなどの話がありました。参加者からは、こんなつらい状況の子どもが日本にいるなんて知らなかったと驚きの声が上がりました。また当事者を励ます外国人の参加者などもいました。
会の終わりには1時間ほど懇親会が行われ、参加者や本日のパネリスト、APFSスタッフ、ボランティア含め自分の思いなどを率直に話す時間を持ちました。内容の濃い会となりました。