2019年3月 ひろばユニオン 10-13p
シリーズ・起つ人「外国人住民を支え続けて」
吉田真由美
苦難を超えて
-在留特別許可が出せれた外国人は、
2011年の約7千人から17年には1千人程度と、大幅に減っています。
法務省の調査によれば、非正規滞在の外国人は約7万人(18年7月1日現在)、
一方、強制送還されている外国人は年間1万4千人(17年)です。
これだけ送還されているなかで7万人の非正規滞在の外国人がいることは、
日本で非正規化する外国人がたくさんいることを物語るものでしょう。
-政府は外国人労働者の受け入れを広げる方針ですが、
今後、技能実習生や留学生が逃亡・失踪するなどして、
さらに非正規滞在の外国人が増大する可能性が指摘されています。
APFSが今一番言いたいのは、新たに外国人を受け入れる前に、これまでの日本経済を支え、
すでに日本社会に定着している非正規滞在者を合法化してほしいということです。
これまで日本政府は外国人を単なる「都合の良い」労働力として考えてきたと言えます。
非正規滞在者もバブル経済のころには単純労働を担う労働力として黙認されてきました。
そのなかで彼ら・彼女らは生活・経済基盤を日本でつくり、家族を形成しました。
いまさら送還するような政府の対応は、やはり今後も外国人を「共生」の対象としてではなく、
「都合の良い」労働力として扱うことを表しているのではないでしょうか。