フィリピン人男性 Yさんの声

私は、フィリピンのYです。来日して今年で21年になります。幼いころから、心のどこかで日本に行きたい、と思っていました。

1991年(30歳のとき)、船の修理の仕事のためバーレンに行きました。そして、その2年後の1993年、仕事で30日の休みがあり、この機会に友達がいる沖縄にとびました。このときからすでに、この先フィリピンに戻るつもりはありませんでした。当初、日本語は全然分からず、ゼロからのスタートでした。だから、辞書をひきながら自力で勉強をしました。

沖縄に来て一か月間、友達の家に泊まらせてもらいながら仕事を探しました。しかし、なかなか職につけなかったため、従兄弟がいる横浜にいきました。そこでペンキ屋さんに就職し、19年間働きました。

辛いときは、フィリピンにいる3人の息子のことを思い出しました。フィリピンでは、大学を卒業していないとなかなか就職できません。私は昔、大学を途中で辞めて苦しい思いをしました。こんな思いを息子たちにはさせたくない、3人が大学を卒業できるように、自分が頑張らないといけないという強い思いがあります。この気持ちがあったから、今まで頑張ることができました。

日本で一番うれしかったのは、10年前に教会で今の彼女と出会えたことです。彼女は、真面目で優しく、この先もずっと一緒に日本で暮らしていきたいと思っています。しかし、私は現在、在留資格がありません。彼女もフィリピン人ですが、以前、日本人と結婚をしたことがあるので、永住資格があります。今までと変わらない生活をするためには、私は在留資格が必要になります。今後、彼女と結婚をして在留資格を得るつもりです。