ビルマ人女性 Sさんの声

私の名前はSと申します。出身はミャンマーです。私には家族がいます。私たちはミャンマーで色々な事情があって、また、息子の未来のため、これから自分たちの人生を日本で送ろうと、1990年に来日しました。初めて成田空港に着いた時、日本語は読めない、書けない、もちろん話せませんでしたので、とても大変でした。文化も違うので、食べ物はもちろん食べられない、水も飲めなかったです。

日本の国は、高い建物やバス、電車がたくさんあり、一番驚いたことは、みんな朝になると起きて働き、ふつうに暮らすことが出来る“自由”があることでした。日本はとても自由で、便利で、すばらしい国だと思います。

とても豊かな日本の国と母国のつらさを比べてミャンマーの状況があまりにもつらかったので、私の家族はしてはいけないこと不法滞在をしてしまいました。家族3人は15年間、不法滞在者として、不安をかかえながらも、人の物を盗まない、人を殺さない、悪いことをいっさいしないで真面目に頑張って生きてきました。ところが2006年2月、不法滞在として入国管理局につかまってしまいました。品川にある入国管理局の中に入れられ、毎日決められた生活をしてきました。とても大変でした。

日本に来てから色々な人に出会い、多くの方の力や助けをいただいて、2007年、法務大臣から定住者ビザをいただき、やっと家族三人そろって安心して日本で暮らすことができるようになりました。日本の国や今まで出会って助けてくれた人たちに、心から感謝しています。

私もミャンマーにいただけでは分からなかったことを日本で学び、日本へ来て世界が広がり、自分の考え方も変わったと感じます。これから日本でずっと暮らしていくため、日本の歴史や文化をもっと学び、色々な人に出会って自分の視野を広げたいと思い、2008年4月、A高校定時制に入学しました。2009年5月で二年生になり、今頑張っているところです。

日本で私と同じように不安をかかえている外国人達がたくさんいると思います。

皆様も最後まで、諦めないで真面目に頑張れば、いつか自分達の夢が叶うと思います。一般的に日本で不法滞在はあまり印象がよくありません。しかし不法滞在者の中には真面目に働いている人たちや、学校へきちんと通っている子供たちがたくさんいます。日本の皆様にも、外国人達のことをもっと理解して欲しいです。どうかよろしくお願いします。