外国人当事者による座談会を開催しました。



2019年3月2日に板橋区立グリーンホールにて、「新たな外国人受け入れを前に―在住外
国人当事者に聞く 日本の受け入れ現状―」と題して、時局座談会を開催しました。

さまざまな立場で働く外国人住民を理解するために、会社経営のチャクラダールさんや
企業でソフトウェアの開発に携わる李さん、建築会社の元技能実習生であるマウン ラ テ
インさんの3名をお招きし、それぞれの経験を語っていただきました。自国の言語や職場
環境が全く異なるなかで、同僚とコミュニケーションを取りながら仕事をする大変さや常
に在留資格更新の問題が出てくること、技能実習では依然として給与の未払いが発生して
いることなどが話されました。また、最近はSNSでほかの国で暮らしている友人と常に情
報交換をしており、日本と諸外国の状況を比較することが増えていることも述べられまし
た。とりわけ経済成長が著しいアジアの国々から来ている人々にとっては日本との給与格
差も少なくなってきているので、給与だけではない、住みやすさや働きやすさが移住する
国を選ぶうえで重要であることが指摘されました。

次にAPFS代表の吉田から、4月の入管法改定と非正規滞在者の取り扱いに関して政府の
資料や統計をもとに詳細な説明がありました。非正規滞在者のなかで、入管法改定によっ
て在留特別許可が出やすくなるのではないかという憶測が見受けられますが、実際はその
反対で許可件数が著しく減っていることが示されました。また、政府の方針として非正規
滞在者を速やかに送還することや、収容所施設においては収容が長期化している人数が増
加していると指摘しました。APFSはこういった状況をただ黙認するのではなく、法務省
に対して提言書を提出することを考えており、新しく外国人労働者を受け入れる前に、日
本社会に深く根付いて暮らしている非正規滞在者の合法化を訴えていく予定です。

4月からの入管法改定による影響は予測できない部分が多々ありますが、当事者の話に
耳を傾けることを第一に今後も活動を続けていきます。